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Bumbum-Project

NewsLetter

2005.05.25,No.19

 

 

来夏にロンゲラップ北部島など残留放射能調査
  
   〜一次レポート報告会と前歯ベータ線計測を
    今年8月、マジュロで 高田純・札幌医大教授と共同実施

去る一月、神奈川事務局の島田はマジュロ島を訪ね、ロンゲラップ選出国会議員のアバッカ・アンジャインさんと会った。アバッカさんは99年7月に高田純・広島大学放医研助教授(当時=現札幌医大教授)とブンブンプロジェクトが行なったロンゲラップ島の残留放射能調査(ブンブン通信11号、13号・渡辺レポート参照)について、「タニコ(清水谷子)が2000年10月に高田さんの報告書を持ってわざわざマーシャルまで来てくれたのに、私たちが冷たい対応をしたのは本当に申し訳なかった。これまでアメリカは科学的調査とかデータと言いながら何度も私たちを欺いてきた。たとえ日本人科学者の調査であっても信じることは出来なかった。しかし、私たちはいま高田さんの調査は真実であると考えている。機会があれば高田さんに連絡を取り、ロンゲラップの北部の調査も行なって貰いたい」と語りました。アバッカさんは話の中でブンブンの支援について、また高田さんの調査について何度もアプリシェイト(感謝する)という言葉を使いました。
 調査当時私たちは『ロンゲラップ島の残留放射能は広島や東京より低い』との意外な調査結果に驚きながらも、島を捨ててから15年も経ち、望郷に悩むロンゲラップ島民の喜ぶ顔を思い描きながら調査結果を届けたのでした。
 しかし、アバッカさんはじめ島民たちは強い拒否反応を示し、調査結果の一般への公表を拒みました。調査を行なってから6年、太平洋流とは言え、事実を受け入れるのには島民にとって長い辛い時間が必要だったようです。調査結果は対米交渉には有利には働かないかもしれないが、勇気を持って事実を見つめてくれたアバッカさんはじめロンゲラップの人々に私は尊敬の念を感じました。早速札幌の高田さんと神奈川事務局にFAXし、第2次調査の準備を始めることになりました。
 3月2日、ブンブンプロジェクトのメンバー10人はビキニデーに参加するため訪日したアバッカさんと東京・お御茶ノ水で面会し、今年8月の高田教授によるロンゲラップ島民への公式報告会と前歯のベーター線計測、また来年夏にはロンゲラップ島の第2次放射線調査を実施したいと申し入れました。アバッカさんは快諾し、ロンゲラップ側でも受け入れ準備に入ることになりました。現在、双方で訪問と受け入れの準備が進められています。

リィマンマン号はいま

 リィマンマンは2年前にコマツディーゼル製の最初のエンジンが壊れた後ヤンマー製のエンジンに付け替えしばらく運行していました。しかしヤンマーのエンジンもトラブルを起こし、現在船はイバイ島の埠頭に揚げられ運行は休止しています。取り外されたエンジンはマジュロの建設・鉄工会社『PII』の工場に保管され、修理を待っているということでした。1月31日、私は同工場を訪ね久しぶりにエンジンに再会しました。工場の片隅に置かれたエンジンは少し錆がうき、埃をかぶっていました。
 PIIの副社長ケネス・クレマーさんの説明では、工場ではまだエンジンは開けていないがオイルなしで走行したためクランクシャフトが焼き切れているのではないかとの話でした。
 2月になってようやくエンジンを開け、点検が行なわれた結果、クランクシャフトなど修理に必要な交換部品のリストが神奈川事務局にFAXされてきました。早速コマツに在庫や価格を照会した結果、必要部品の総額が約百万円、また古いエンジンのため調達に相当時間がかかることが分かりました。この結果を検討したケネスさんらは「コマツ製エンジンの修理は諦め、マジュロで別のエンジンを探すことにした」と連絡してきました。
 2年前にリィマンマン号の保守・管理をロンゲラップ側に全面的に委譲して以来、船の運行は断続的に続けられてきました。しかし、2年前のトラブル後、船は陸に揚がったままになり、運行は中止しています。これから、3台目になるエンジンを探し、据え代えたいとのことですが、うまく行くかどうか分かりません。
 アメリカからの資金援助などによって、ロンゲラップ村は現在2000トンの貨客船を含め3隻の船を所有しています。また、疎開先のメジャト島の隣島には滑走路が作られ、週1便の定期便が飛んでいて、87年にリィマンマンを送った頃とは島民をめぐる貨客の運行状況は変わっていて、急いで対策を立てる必要もないということもあります。少し気長に見守ることにしました。(島田興生)

ロンゲラップ島民の再定住に向けて科学調査支援

        〜ブンブンプロジェクトの皆さんへ〜


      高田 純(理学博士・札幌医科大学教授)

 本年2月、マジュロに滞在していた島田興生氏からファックスが自宅に入った。それによると、ロンゲラップ選出の国会議員アバッカ氏が、私がブンブンプロジェクトとの合同で実施した1999年のロンゲラップ放射線調査報告書「The First Report」を認め、「一部の島民が再定住に向かっている」「将来の私たちの放射線調査を期待する」とのことであった。
 ビッグ・ニュース!調査から6年近くも待った良い知らせであった。二度のトラウマ(精神的外傷・ショック)を体験し、癒されない心の傷を持ったロンゲラップの人々からの復興に向けた声を聞いたような気がした。
 私の方は、調査からの長い年月も過ぎ、半ばあきらめの気持ちもなかった訳ではない。ただし、広島・長崎が復興したように、ロンゲラップの環境放射線の回復を受けて復興の可能性を信じていた。アバッカ女史とは2000年にメールでやり取りしたのみである。この間の島田氏や清水谷子さん等ブンブンプロジェクトの熱心かつ心やさしいとり組みが、島民の心を動かしたのかもしれない。
 私から今後についての提案は、
・ 「The First Report」の公式報告会を現地で行ない、今後の科学支援の出発点とする
・ その訪問に合わせて、第二の被曝の予備調査(島民の前歯のベータ線を計測)をする
来年以後の食料採取地となる島の放射線調査の計画を打ち合わせる
 島田氏がこれらの内容を、MEMORANDUM(05・03・02)にまとめ来日したアバッカ女史に伝えた。私も彼女と電話にて話し、今後の科学支援を約束した。
 ブンブンプロジェクトでは過去、島民たちの生活支援を目的にエンジン船を贈り、実効的なすばらしいボランティア活動をされた。敬服です。今後の再定住などにつながる科学調査の支援は、その内容理解が少し難しいかもしれません。みなさん向けの勉強会も兼ねた報告会などの実施も可能な限りしたいと思います。宜しくお願いいたします。
 尚、最初の調査と復興に関しては、二つのやや難しい科学レポート以外に、3冊の図書を出版しております。ご参考としてください。
・高田純『世界の放射線被曝地調査』(講談社ブルーバックス 2002年)
・高田純『核災害からの復興』(医療科学社 2005年)
・Jun Takada『Nuclear Hazard in the World」 (Kodansha & Springer』 2005年)
 私のホームページをご覧下さい。 http://www15.ocnnp.jp /~jungata/
 図書は4月出版の予定です。ロンゲラップの悲劇と環境の回復を世界のなかで比較します。

第1次調査(99年7月)の概要と第2次調査
    
     〜「ブンブンプロジェクト」は第2ラウンドへ

 広島大学原爆放射能医学研究所の高田純助教授(当時)はセミパラチンスクやチェルノブイリなど旧ソ連の核実験場や原発事故地点の放射線調査を行なってきた世界最高水準の放射線科学者で、かねがねビキニ水爆実験に曝されたロンゲラップ島の調査の足がかり探っておられた。99年5月にブンブンプロジェクトと連絡がとれ、共同でロンゲラップ島の放射線調査を実施することになった。
 調査は99年7月4日から18日までの約2週間、ブンブンの渡辺幸重さんと清水谷子がアシスタント役で参加。ロンゲラップ本島と周辺諸島、メジャト島で調査を行なった。ロンゲラップでは6日から12日までの7日間、本島で17地点、カバレ島とボコエン島では数カ所の放射線サーベイを、また本島で再建工事中の作業員6人の体内放射線も測定した。結果は高田さんが開発した携帯型測定装置・ポータブルラボで即座に判明した。結論的にはロンゲラップ本島の放射線量は広島や東京より低く、作業員の体内セシウム量はごく微量だった。
 高レベルの放射線を予想していた高田さんを含め我々は意外な結果に驚いた。1954年、致死線量の放射性降下物が3センチも積もり、島を脱出しなければ全員が死亡したであろう最悪の状態はその後の7〜10年の間でセシウム137は半減した。物理半減期は30年だが、環境半減期はずっと短かった。理由として高田さんは海抜2メートルの砂地の島が大量の降雨と太平洋の海流によって洗われためと推測している。
 調査の結論は「ロンゲラップ本島に再定住は可能」であった。
カンパをお寄せ下さい
 ロンゲラップ島民が島を脱出してこの5月で20年になる。ロンゲラップではすでに滑走路、埠頭、海水転換施設などが完成し、春から住宅の建設もはじまった。高田さんの調査で『本島は安全』との結果が出たが、島民の畑・山地にあたる北部の島々は安全だろうか。帰島するとすればどんな健康上の対策が必要だろうか。
 高田教授とブンブンプロジェクトは来年夏に約2週間かけ、共同でロンゲラップ環礁北部島、アイリングナェとロンゲリック両環礁の第2次放射線調査を行なう。また、今年8月にはマジュロで「公式報告会と島民の前歯のベータ線計測」を行ないます。この計測により57年の帰島時の残留放射線が判明すると期待されます。両調査ともかなりの費用が必要です。皆さまのご協力をぜひお願いします。

<05年8月公式報告会と前歯計測日程>

7月31日(日)成田発  20:50
8月1日(月) マジュロ着19:00
8月2日(火) 「高田教授の公式報告会」
8月3日(水) 前歯計測第1日目
8月4日(木) 前歯計測第2日目
8月5日(金) 前歯計測第3日目
  2006年第2次調査打ち合わせ
  サヨナラパーティ
8月6日(土) マジュロ発10:50
8月7日(日) 成田着  09:55

 

 <発行>
 ◆ブンブンプロジェクト神奈川事務局
 神奈川県三浦郡葉山町長柄690-1清水方 
 〒240-0113TEL046-875-0603FAX875-9671
 E−mail  bumbum@erix.com
  ●郵便振替00250-4-66337 ブンブンプロジェクト

 

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